2017年 6月 退院! 2
ようやく順番が回ってきたので席へ移動。
お休み中のあーくんを絶対に起こさないため、振動を決して与えない様に、そろり、そろり…
入店した頃から気付いていたのだが、店員さんの中に1人、声の超絶デカいヤツがいる。その店員さんの声はもはや元気を通り越したデカさ。あーくんが起きないかヒヤヒヤしていたのだが、お店の中をエリア毎に分担している模様で距離が離れていた為、問題無かったのだが、マズい事になりそう…
あーパパ達が座ったのはその店員さんの担当エリア…((((;゚Д゚)))))))
そんな不安を抱えながらも着席するやいなや、マル子はテキパキと準備を進める。オーダー、お茶、お箸など。
回転してるお寿司屋さんでも、最近はほぼオーダー制ですよね。しかもここはそのオーダーを手書きで書いて渡すシステムのお店。
右腕一本であーくんを抱っこしているあーパパ、ほぼ何も出来ない😱左手一本だけだとポンコツですw
ようやくマル子が注文と準備をひと通り終え料理が来始めた頃だった。
その声デカ店員が、あーパパ達の隣を歩きながら、
「いらっしゃいませー!!!」と、そのバカデカい声を張り上げやがったΣ(゚д゚lll)
そして…
「オギャー!!」
…orz
リアルにガックシしたw
目の前に、さあこれから食べようというお寿司の数々とマル子。そしてギャン泣きになったあーくんを片腕で抱えながら左腕一本でご飯を食べようとしていたあーパパ…
あーパパの仕事は飲食店経営なのだが、その中で「子供が周りに迷惑をかけているのに何もケアしない両親」を嫌ってほど見て来てて、自分はこうはなりたくないなと常日頃から思っていた。
よって選択肢はただ一つ。
これからさあ、食べよう!としていた料理を目の前にしながらあーくんを抱えて店を出た。あーくん取扱説明書を少しずつ理解してきてるあーパパは、お店の外をお散歩し、あーくんのご機嫌取り。
もちろんだが食べたかった。茶碗蒸しなど温かい料理もあり、後で食べたら冷めてるのは確実。
でも不思議と残念な気持ちはそんなに湧いてこなかった。
むしろあーくんを抱っこしながら病院以外の所を歩いている幸せの方が強く感じた😌
とはいえマル子との暗黙の了解で生まれた「交互に食べる制度w」。
(そろそろかなー)とマル子の食べる速さを想像しながらマル子の元へ戻った。
するとどうやら少しだけ早かった模様で、最後の2貫を一気に頬張り、(替わるよ)のジェスチャー。
マル子にあーくんを渡し、ようやくお寿司にありついた(๑>◡<๑)
でも頭にあるのは、
マル子のために早くたべなくちゃ
食べるのが長くてお店に迷惑かからないかな
という、「早く食べないと」という何かに迫られた気分。目の前に並ぶお寿司や料理の数々を一気に平らげた。美味しいかどうかは関係ない。
するとタイミング良くあーくんを抱えたマル子が戻って来てそのままお会計して店を出た。
帰りの車内でマル子とあーパパが全く同じタイミングで声を発した。
「食べた気しねー」
「食べた気しな〜い」
マル子にとっては約10ヶ月我慢してたどり着いたお寿司だが、全く堪能出来なかった模様。もちろんあーパパも。
満足感は微塵も無くただ空腹感が消えただけの2人をよそに、あーくんがまた車内でお休みを始めた。
「今!?」
「今!?」
マル子とあーパパの2人の声が車内でハモった。